幻の黒猫

最近の日記もどき

10.6.2007

BookScope

2007/10/06

しばらく試しに、読書記録(書籍購入記録)はBookScopeでつづる事にする。Rails で書かれたオンライン蔵書管理サイトらしい。これまで私本管理 Plusを使っていたのだが、あまり使い勝手がいいと言えず乗り換え先を考えていた所だったので。まだベータ版であり利用者も少ないせいか非常に動作も軽快で良い。これでタグが使えれば最高なのだが。とはいえ、新着レビューの欄が僕の名前ばかりで、しかもそのほとんどがラノベと漫画なのは恥ずかしいのでほかの人もレビューを書いて流して下さいお願いします。

7.14.2007

[book] [か]「神無き世界の英雄伝」鴨志田 一:メディアワークス(電撃文庫)

2007/07/14

どれだけ銀英伝やねん、とか。以降のスペースオペラ(タイラー、でたまか、星界の紋章etc)が元祖をふまえつつオリジナリティを出していたのと比べ、あまりにもそのまま過ぎる。企業連盟、電子妖精など追加されたガジェットも古めかしい。戦術が〜とかSFとして〜とかいいたいことは多々あるが、まあそれは言うのはやぼか(*1)。なんだかんだいいつつ続きが気になるのでたぶん次巻も読む。

[book] [う]「悪魔のミカタ666 2 スコルピオン・テイル」うえお久光:メディアワークス(電撃文庫)

2007/07/14

”666”1巻を読んで少年少女の成長譚としての側面がクローズアップされたことに感心したが、それに加え今作で、推理小説としてもそれなりの評価を受けたシリーズ1巻の空気が戻ってきてビックリ。ミステリが成立するには”探偵”の存在が必要だということだろうか?

以前より、「ある男性と彼ををめぐる複数の女性たちによって繰り広げられる物語」いわゆるギャルゲー的世界において語るべき物語があるとすれば、それは男性がひとりの女性を選ぶまでの物語ではなく、彼らによって形成される共同体そのものの成立そして崩壊をめぐるそれなのではないか?と考えている。そういった意味でも、このシリーズがどのような着陸をみせるか、とても楽しみ。

*1: 元祖(=銀英伝)もそうなので。

7.12.2007

[book] [の]「 マルタ・サギーは探偵ですか? 5 探偵の堕天」野梨原 花南:富士見書房(富士見ミステリー文庫)

2007/07/12

たまに、ふいに、こういう奇跡のような物語が現れる。前作がいわゆるレイニー止めだったので続きは気になっていたのだけれど、書店で目にするまで新刊出ているのを知らなかった。なんの予備知識無しにこの本を読めたことに感謝。まずは人物紹介のイラストで衝撃を受け、そして第一章一行目。完璧にノックアウト。こ、これは傑作です。

  • 以下箇条書き。
  • いっけん長編第3話の焼き直し(=行って、帰る)のように見えながら、だからこそ、それとの決定的な差異、ある人物の不在が重く影を落とす構成の妙。
  • これは作者にとっての『魔性の子(小野不由美)』ですね。”あちら”から戻ってきた人間が、また”あちら”に帰っていくまでの物語。
  • かつてこの世界に居場所のなかった主人公は、無理やり引き戻された今、初めて”こちら”で居場所を得る。はじめての親友、彼を好きになってくれる可愛い女の子(本当にいい子なんだ!)etc...。それらは、”あちら”で得たものと同じくらい尊い。だからこそ生まれるラストのせつなさ。
  • クレイとの件で酷くトラウマを負ったマルタにとって、最後まで裏切らない信の存在は大きかっただろうな。名前に”信じる”の漢字が使われているのも、あるいは意味があるのかも。
  • 本全体が、パッケージとして完璧。表紙、口絵、人物紹介からイラストを入れる箇所まで。物語とうまく寄り添い読む人間の感情をナビゲートする。
  • 「馬鹿なんだから」「あほ。」「ホント最低ですよね。」これらの言葉に隠された意味。ことの真相がわかってから読み返すともう・・・。

うん。これはマリみてにおけるレイニーからパラソルのセットと同じくらいやられました。ライトノベル的な、キャラの立ち位置が決まりそれで幾らでも続けられそうな空気が出来上がったからこそ出来る大技です。次巻が楽しみ。

6.24.2007

[comic] [ひ]「ブラック・ラグーン」広江 礼威:『月刊サンデーGX 7月号』小学館

2007/06/24

つくづく”関係萌え”(祥祐、祐瞳、アベミハ、四季×犀川、保呂草×各務 etc)な僕にとって、『サンデーGX』今月号の「ブラック・ラグーン」は僕がこの作品を読む理由である要素がみっしりつまった最高の内容だった。ロックとレヴィの、直線的ではない、しかし意味深な会話のやり取り。レヴィの部屋でベッドに寝そべりくつろぐロックや当然のようにパンティ一枚で前をうろつくレヴィの姿に「二人はやってない」説を採っていた(*1)僕は(あれ?)と思ったが、以前書いた「思うに二人(ロックとレヴィ)の間に愛情は無い。」という一文に修正の必要は無いだろう。肉体的な関係、パートナーとしての信頼関係、そして男女間の愛情、これらはこの作品では明確に分離されているということ。

「……言ってることは、わかってる。だから、その――……そこからは、お前の選択だ。」

cite ( 広江 礼威「ブラック・ラグーン#54 」『月刊サンデーGX 7月号』p134:小学館 )

レヴィがロックに求めた「名目」、それが何なのか、ふたりとも(そして僕らも)よく分かっている。

「ロビン・フッドなんぞどこにもいやしねぇんだ!!バカ野郎!」
「ロビン・フッドがいねぇなら、ロビン・フッドになればいい」

cite ( 広江 礼威『ブラック・ラグーン (2)』p128 )

だがロックはそれをある種の逃げだと考え、あえてずらした答えを返す。”ロビン・フッドでありつづけること”それが、この物語のはじめからロックがレヴィに望んでいることだからだ。

なんて素晴らしい。来月号がでるまであと何回読み返すだろうか。

追記。ブラック・ラグーンの最終回は、レヴィが死んで、ロックが日本に帰る/あるいはバラライカや張を超えるほどにこの街でのしあがっていくの二択しか無いような気がする。ふたり生き残って仲良く暮らしましたな未来が見えないんだよね。

*1: 3巻p76-77でロックがレヴィの部屋に行ったときはその汚さに驚いてたもんな。やっぱり日本にいったころか。じゃあ「言いたくねえな」の台詞は"そういう"意味だったのだろうか?

4.15.2007

[book] [う]『獣の奏者(T闘蛇編/U王獣編)』上橋 菜穂子:講談社

2007/04/15

分厚いハードカバー、しかも上下巻ということでスルーしていた。雑誌『switch』にて北上次郎氏が絶賛していた、その紹介を読んで興味を覚え購入した。北上次郎、ありがとう。

これは傑作ですね。例えば、僕がこの作品を読んで連想したアン・マキャフリイ『パーンの竜騎士』、宮崎駿『風の谷のナウシカ』がそうであるように、あるいは小野不由美『十二国記』が、荻原規子『空色勾玉』がそうであるように、十年、二十年と世代を超えて読み継がれるべき作品だと思います。

獣の奏者 I 闘蛇編
  • 獣の奏者 I 闘蛇編
  • 著者:上橋 菜穂子
  • 出版社:講談社(全書籍)
  • 頁数:319 ページ
  • 2006/11/21
  • \ 1,575 (税込)
  • 出版社/著者からの内容紹介:
    上橋菜穂子待望の長編ファンタジー けっして人に馴れず、また馴らしてもいけない獣とともに生きる、宿命の少女・エリン。 母が指笛を吹き鳴らしたとたん、奇跡が起こった。だが、その奇跡を、母は「大罪」と呼んだ………… >>

獣の奏者 II 王獣編
  • 獣の奏者 II 王獣編
  • 著者:上橋 菜穂子
  • 出版社:講談社(全書籍)
  • 頁数:414 ページ
  • 2006/11/21
  • \ 1,680 (税込)
  • 出版社/著者からの内容紹介:
    上橋菜穂子渾身の長編ファンタジー 王国の陰謀に果敢に立ち向かう少女・エリン。獣を操る技を身につけた彼女が選んだ未来とは? 「王獣は、けっして人に馴れることはない。甘い幻想を抱いて近づきすぎれば、爪で引き裂かれて死ぬことになる」師匠にそう言われても…… >>

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