幻の黒猫

2006年の日記もどき:11月

11.11.2006

[Baseball] 小久保 帰る。

2006/11/11

あれから3年。小久保が我らがホークスに帰ってまいりました。もちろん小久保ファンの自分にとってはうれしくてしかたない。だが、これが今のホークスにとって最善の策なのだろうと考えると正直複雑な気持ちだ。今の小久保待望論は、つまり過去の栄光よもう一度、という事で、結局2003年から今まで世代交代が出来なかった、という事だ。本当なら、小久保の居場所がないくらいに松田や江川が成長していて欲しかった。

11.12.2006

[comic][ゆ][は]『迷宮街輪舞曲(ロンド)』結城さくや(画), 林亮介(原作):一迅社( REXコミックス )

2006/11/12

Wizardy という古のRPGゲームがある。6人でパーティーを組み、迷宮(ダンジョン)に潜る。ストーリーは一応あるが、ただひたすら敵と戦い、より深くを目指すそれ自体が目的のゲームだ。進化し複雑化したRPG界において、少数ながらも熱狂的な Wiz マニアは現代でも確かに存在する。(*1)

さて、この迷宮街輪舞曲。(おそらく色々な方面への配慮から)本の何処を見ても Wiz の一言も書かれていない。ただ Wiz マニアなら帯にかかれた「けいいちはいしのなかにいる!(*2)」この一文にピンと来て、思わず手に取るはず。そう、これはまさしく Wiz 漫画の系譜に連なるものである。

ただし舞台は現代日本。この「現代の京都に出現した迷宮」という設定がよい。迷宮、魔法使い、モンスターという言葉に並んで、コンビニ、ポカリ、など馴染み深いものが登場する。主人公も、”自分探しのために”大学を中退して迷宮街へとやってきたという現代的な設定。施設のパソコンで日記をつけて、夜は仲間と繁華街に電車で飲みに出かけたり‥‥。およそ普通のRPGではありえないノリ。だがそれが、絶妙なリアリティを生みしている。

迷宮への探索を始めるまでの手続きの踏み方も、上記 Wiz を踏まえた上で「現実にそれがあったらどうなるか」をうまく翻訳したものとなっている。特に、倒したモンスターの肉片を持ち帰り、運営団体がそれを提携企業、研究施設に売ることで収入を得るという設定には感心した。

細かく設定を詰め地道に物語が進むせいで、話自体のテンポは正直遅い。なんせ一巻が終わった時点で主人公はやっとパーティーを結成したばかりである。いよいよ探索の始まる(はずの)続巻以降が楽しみだ。

迷宮街輪舞曲
  • 迷宮街輪舞曲
  • 著者:結城 さくや
  • 出版社:一迅社(IDコミックス)
  • 2006/11/9
  • \ 580 (税込)
  • 出版社/著者からの内容紹介:
    2001年7月。真夏の京都を襲った地震により、突如京都北東部に出現した大洞窟。異質の化け物が徘徊する地下世界を隣人としたそのエリア[迷宮街]は、その日から人と化け物による戦場と化した。彼ら[探索者]が飛び込んだ世界は…… >>

[comic]『迷宮街輪舞曲(ロンド)』感想初期バージョン(原作既読派向け)

2006/11/12

(とまあ、上は原作未読のつもりでこの作品単体での評価をしたつもり。原作既読の人間としては多少不満があるのは事実で、以下は一番最初に書いた感想である。あまりに悪く書きすぎたかな、と思って改めて書き直した。)

以前感心しながら読んだ、現代日本が舞台のオンライン Wizardy 小説『和風Wizardry純情派』の漫画化作品。連載されている雑誌を見かけたことがなくこれまで読む機会がなかった。原作者サイトで単行本が出たことを知り、購入。

  • 80年代ラブコメでよく見たような絵柄なのでベテランがもう一花咲かせようと新ジャンルにチャレンジしたのかと思ったら、どうやら新人らしい。確かにそれらしい所は多数見受けられる。キャラクターの見分けがつかない上に、同一人物でも場面で顔が違う。
  • 迷宮の湿った空気やモンスターの異形感、死と隣り合わせのヒリヒリした雰囲気などが欠片も伝わってこない。デビュー一作目にこの原作は重かったのではないか。
  • その後地味な話がしばらく続くので初めに上位キャラで派手な絵を見せておきたかった、ってとこだろうけど、一話目丸ごと主人公とは別のチームの話なのはどうなんだろう。(原作の出だしがそうだったから、というのは理由にならない)
  • 地味!地味!地味!現実との地続き感が原作の持ち味であり、その意味では原作に忠実なのかもしれない。しかし盛り上がりに欠けるなあ。
  • 主人公の身体的特性(体操をやってて〜(略))がおもてに書かれずに精神的面ばかりが強調されるのは、少年漫画のフォーマットに則ったものなのだろうか。

よい点はある。「現代の日本に出現した迷宮」という設定を生かした数々。登場人物がみな普通の日本名で、迷宮街にコンビニがあったり施設のパソコンで部屋探ししてたり夜は皆で繁華街に電車で飲みに出かけたり‥‥。でもそれは総て原作から受け継いだ特長なんだよな。漫画ならでは、というものが、残念ながらなかった。

*1: 来年アトラスから発売予定のDS向けゲーム『 世界樹の迷宮 』に期待!
*2: うはwwww全滅wwwwwwww

11.18.2006

[comic] [ひ]『ブラック・ラグーン (6) 』広江 礼威 (著) :小学館( サンデーGXコミックス )

2006/11/18

ロベルタが好きになれない。正確には、ロベルタ自身は嫌いでも好きでもないが、彼女を過剰にプッシュしようとする編集部なり何なりの動きが気に入らない。本来ならばこの巻の表紙は、エダあるいはシェンホアが妥当なのではないか?(*1)

  • 一番の萌えポイントは ドアを開けるなり「おいロック!聞いたかよ、驚きだぜ!」と言いながら入ってくるレヴィ嬢( p159 )。なるほど、真っ先に話しかける相手はロックなんだね、とか。
  • 「言いたくねェな」の台詞を言う際に、顔を赤らめているように見えるシーンを作るためだけに、クーラー壊れてクソ暑い+酔っ払っているという状況を整える作者が好きだ。よくやった。
  • 思うに二人(ロックとレヴィ)の間に愛情は無い。彼らの関係は、(突然だが、)マリみての祥子と祐巳(そしておそらくは祐巳と瞳子)と近しいように見える。凄腕だがどこか欠けた人間の、普通だが真っ当な人間に対する憧憬と執着。
  • p172 1,2コマ目、p174 1, 2コマ目。ロックとレヴィの目を向ける方向が彼らの席位置と逆。これでは目線が合わない。作者のミス?
  • 妹メイドの格闘シーンは、FSSのフロートテンプルにおけるラキシスのバトルを思い出した。作者の意図的なものによる、妹メイドのわざとらしくもエロいポーズにカメラアングル。

ブラック・ラグーン 6 (6)

[comic]『ブラック・ラグーン (6) 』感想続き

2006/11/18

「銃は好きじゃないし、持ちなれないものは持たない主義だ。
――ただ、この引き金を引いたことは、忘れたりしませんよ。
だからこれは、お返しします。」

cite ( 『ブラック・ラグーン (6)p132』 )

僕がこの作品を好きなのは、この作品には「どんなにカッコよくても、銃を撃つのは悪人である」という思想が根底にあるからだ。老若男女を問わず、銃を撃つ者は自分がろくでもない人間だと知っている。(それを自覚出来ない人間は、死ぬ)。悪人のみの住む町でロックだけが武器を持たない。”生きる者”と”歩く死人”、”夜”と”昼”。彼は、”夕闇に立つ”ことを選んだ後も銃を持ち続けることを選ばない。

その点で、今回”ロベルタ再び編”に登場した妹メイドはにちょっと気になるものがあった。それは彼女に、銃を手に取るだけの理由が感じられなかったからだ。

*1: ただし、今回ロベルタが表紙になったのには別に理由があると考えている。それはまたいずれ。
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