「E.G.コンバット」、「鉄コミュニケイション」の秋山先生の、期待のオリジナル新作。そしてその期待を裏切らない、素晴らしい出来!一流の落語や講談を聞いているような、なめらかな話の流れ。その語り口調(時に饒舌すぎるきらいもあるが)に乗せられ、一気に読み終わってしまった。
へたれなおいらが内容を紹介するより、すでにタニグチリウイチさんが素晴らしい書評をされているのでそちらをどうぞ。
とはいえ、物語は始まったばかり。続巻に期待120%。
一応シリーズひと段落。これまで隠されてきた世界観やその他の謎があきらかに。とはいえ、やはりオリジナリティが感じられない。FSS + ナウシカ に、今回はエヴァを加えてみましたってところか。まあひとつの作品としてよくまとまっているとは思う。
イラストが難。こういうロボットものは、(それこそ永野護とまではいわないが)メカデザイナを別に付けるべきだと思う。本文で「優美な機体」ってあっても、イラストが全然優美じゃね〜よ。
…この作者は京極堂に挑戦でもするつもりなのか?新作が出る毎に本の厚さがましているぞ(しかもさらに話を長くするつもりらしい)。しかしそれに内容の密度がついていっていない。筆力をつけるためのトレーニングとして、一旦書いた文章を内容はそのままでその半分の文字数に圧縮するというものがある。ぜひおすすめしたい。
それにこのシリーズ、毎回話の構成や文体そのものに凝った仕掛けがしてあるが、それははたして必要なのだろ〜か。どうも僕には作者自身がテクに酔って溺れてしまっているように思えるのだけれど。
(先日といい今回といい、じゃあ読むな!と言われそうですな。話の内容は結構好きなんです。読んでも面白くなかった本は、そもそもここには書かない)
「羊たちの沈黙」系サイコスリラー。「このミス2000」を見て興味を覚えたので読んでみた。
う〜ん。さすがによく出来てる。ハリウッド・スタイルとでもいえばいいだろうか、ジェフリー・ディーヴァーという作家さんを知らないのでなんともいえないが、彼個人の、と言うよりは「ボーン・コレクター製作チーム」の作品であるという印象を強く受けた。冒頭から息をつかせぬストーリー、脇の一人ひとりまで魅力あるキャラクターたち(ちなみに私は介護士のトムがひいき)、(原文を読んだわけではないが)読みやすく適切な文章表現などなど…。売れるサイコスリラーを創るべく企画の段階から複数の人達でディスカッションを重ねリライトを繰り返し、最終的に小説にまとめたのがこの作家さんなのでは。
エンターテイメントに徹したすごみを強く感じさせられる。いかにも映画化されそうだなぁと考えていたら、先日映画館で予告編が流れていた。ああ、やっぱり。
田中芳樹が脳を使わずに脊髄反射のみで書いていると評判の、薬師寺涼子シリーズ第3弾。とはいえ、ちゃんとエンターテイメントとして楽しめる作品となっているのはさすが。今回はパリでいつものメンバーがいつものように怪物騒動に巻き込まれる。涼子と泉田警部補とのイチャイチャ度が更に増して、コバルト文庫もびっくりさ。(次はちゅ〜か?請うご期待(勝手なことを…))
ところで創竜伝の続きは?(ついでにいえば続きを出す意志はあるらしい七都市物語も)