幻の黒猫

2003年の日記もどき:4月

4.13.2003

[GAME] 「ねこねこマシン猛レースCANNONBALL」

2003/04/13

アウトロースターって連載どうなっちゃったの?みたいな。

遥か宇宙を舞台にした、壮大なボーイ・ミーツ・ガールの物語だ。 過去を知らずに生きる少年と、繰り返しの生の中で積み上げられた過去を幾度も失い続けてきた少女。少年は少女に約束する。「おまえをこの銀河でいちばんの女にしてやる」と。ーーそしてそれは果たされる。

とまあ、これでエンディングまでネタばれしてるわけですが。しかしこのゲームにおいてはそれもありかな、と。ストーリーは基本的に一本道ですが、それで大正解でしょう。下手なマルチシナリオよりは一番自信のある話をとことん聞かせてくれよと常々思っていたので、我が意を得た感じです。そしてその物語がまた素晴らしいのです。

全てに手を抜いたところがなく、登場人物すべてが個性豊かで愛おしい。

4.14.2003

[book][お]「蛇行する川のほとり (2)」恩田陸:中央公論新社

2003/04/14

前作と話者が入れ替わることにより、ある事実が明かされ新たな謎が掲示される。「黒と茶の幻想」で使われた手法がさらに洗練され、今作に引き継がれている。

恩田作品の語り手の印象がどれもどこか希薄なのは、彼らが基本的に傍観者だからだ(*1)。周囲に向けられる視線の鋭さ思考の深さとは逆にそれが自身に向けられることは極めて少ない。だからこそ、巻ごとに話者が入れ替わるという手法は彼女の作風と合っているのではと感じる。今回芳野からの視点で描かれる前作の話者毬子の姿が、驚くほど魅力的だった。改めて1巻を読み返した次第。

*1: 恩田陸の作品には、語り手が自分自身を「知る」ことによって一つの結末をむかえるというものが多い。

4.28.2003

2003/04/28

とある方の訃報を知りショックを受ける。全く面識は無く、ただ氏のWeb日記を毎日楽しみにしていた。優れた知性と感性が生きるうえにおいて身を刺す棘としかならないのならば、それは悲しいことだ。なぜなら、無知で鈍感だからこそ今わたしは生きていけるのだと悟らされるから。

2003/04/28

GWは昨年末に亡くなった祖父の供養のために帰省する予定。

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