幻の黒猫

2002年の日記もどき:4月

4.21.2002

お久しぶりです2002

2002/04/21

ほぼ一年ぶりにこっそり更新してみるテスト。特に何があったというわけでもなく、いつの間にやらこんなに長い間放置してしまっていた。ちなみにこの間、別サイトで活動しておりました。「偽春菜」改め「任意」改め(中略)現「伺か」用のゴースト関連のサイトです。

改めて最近(一年前(笑))の日記を読み返してみたんだけど、ここに書き込んでる関連のことに関しては、たいして変化はないな。「十二国記」と「フルメタ」は短編集は出たものの本編は進んでいない。「ハチミツとクローバー」は雑誌が休刊、YOUNG YOU で連載再開となって未だ間も無い。「星くず」はシリーズ中断中。順調に巻を重ねたのは「マリみて」くらいのものか。

ライトノベルの新しいシリーズにも、殆ど手を伸ばしていない。毎月のように登場する新しい作家や作品に手を伸ばす気力が無いし、それに費やす時間をもっと他のことに使いたいと思うようになってしまった。学生の頃はライトノベル関連で出る新刊の半分以上はチェックしていた記憶が有るんだけど。

まあ今後はこまめに更新していこうと思う。一応「日記」なんだし。

[book]電撃HP Vol.17

2002/04/21

「イリヤの空、UFOの夏(秋山瑞人)」がえらいことになってます。「水前寺、応答せよ」というサブタイトルと話の前半の雰囲気から「ああ、今回もほのぼの学園物なノリなのかな?」と思いつつ読んでいたらアナタ、とんでもない。ラストは背筋が凍るようなオチでした。ここまでやるか。イリヤには幸せになってほしいよ‥‥。

[book]猫の地球儀のエンディング(ネタバレ)

2002/04/21

気に入った作品があると、ネットで検索して他の人の感想を読み渡るということを、よくする。んで「猫の地球儀」でそれをやっていて、「幽が無事に地球にたどり着けた」と信じている人が意外にたくさんいることに驚いた。

ちが〜う、ちがうよ!それだと最後の「海が」のシーンが台無しじゃん!初読時の感想にも書いたけど、下手な救いや奇跡がないからこそ最後の幽からの「合図」が
感動的なものになるんだと思うのになぁ。

4.22.2002

[book][み]「秘密の花園」三浦しをん:マガジン・ハウス

2002/04/22

「本の雑誌」での北方次郎氏のコメントに「少女小説アンテナ」がピピッと反応。読んでみたら大当たり。簡単に言えば「自分探し」と陳腐な言葉になりそうな、思春期の少女たちが不安定な自我や異性との恋、自身の性などについてあれこれ悩む少女小説の典型といえる話でした。

作者が後書きで言う、昔読んだ少女小説(マンガ)を自分でも書いてみたかった、というのはよく分かる。「櫻の園」(吉田秋生)や「恋する女たち」(氷室冴子)(ちょうど今日NHK衛星第二で斉藤由貴主演の映画版がやってましたね)などの、群像少女劇が好きだった人は楽しめるんじゃないでしょうか。

4.23.2002

[comic][こ]「ひみつの階段(完全版)」紺野キタ:ポプラ社

2002/04/23

なんか今月はマリみてから秘密の花園ときてこんな感じの本ばかり読んでいる気がしますが、まあいい。女子校の寄宿舎が舞台の、少し不思議で優しい短編集。以前偕成社から出ていた作品(絶版)に書き下ろしを加えた、新装版として発売されたもの。

書き下ろしの作品も相変わらずのクオリティの高さ。夏とおなじ、高等科からの新入生の女の子が主役の話です。ドミトリーのあたりから急激にキャラの立ってきた奇談倶楽部の部長やお菊人形と呼ばれる霊感少女などをメインに、ちらりと三島&竹井も登場。主人公が「DD」とあだなをつけられる由来や奇談倶楽部部長の強力な個性。軽やかな語り口調の中に、過去にあった純粋な恋の物語が挿入されます。うまい!

ただ、本の造りは偕成社版の方が好きかなあ。カラー挿画一枚 + 内扉 + 身開き2ページの目次と、贅沢な構成だった。ポプラ社版は、完全版とうたう割にその辺が安っぽい。カラー挿画にタイトルも合わせて挿入した上にその裏に目次もプリントするという手抜きっぷり。(追記:改めて見返すと、偕成社版も 2 巻は「カラー挿画にタイトル挿入。その上裏に目次もプリントという手抜きっぷり」でした。これがコスト削減ってやつですかね。)

表紙イラストも旧版の方が好き。新装版のイラストは第1話扉絵の焼き直しでこれはこれで悪くはないのだが、偕成社版 1,2巻のちょっと遠景からの少女群像には負けていると思う。それになにより、なぜ新装版は表紙タイトルのフォントがピンクのゴシック体(?)なんでしょうか?旧版の紺の明朝体フォントは、話の中身のちょっと懐かしい雰囲気とピッタリ合っていたのに。

4.24.2002

[book][お]「劫尽童女」恩田陸:光文社

2002/04/24

秘密組織ZOOによって改造され特殊能力を持った伊勢崎遥。彼女はそこから脱走し、一匹の犬とともに放浪する。激しさを増す戦いの中、彼女の行きつく先は…。

仮面ライダーかキカイダーか。これは石ノ森章太郎作品のノベライズですか?というのがとりあえずの感想。秘密結社だの改造人間だの、最近はライトノベルでも使えないような余りにもベタな設定だが、それを曲がりなりにも読ませる筆力はさすが。ラストに向かっての盛り上がりもかなりのものだが、最後のオチに説得力がない。いまいち。

[book]「メフィスト(小説現代5月増刊号)」講談社

2002/04/24

森博嗣の犀川シリーズが久々に載っているということで購入。なんかもう、ラブラブなラストでしたよ。ついにケコーンですか!?(あわてるなっ!)。

しかし森博嗣は日増しに「律義な赤川次郎」と化しつつある気がする。作者は毎回、ミステリとして必要な事件の謎とその真相を用意していますが、実はファンの大半は彼の作品の魅力は登場人物の掛け合いや文章のキレにあると思っていて、事件やそのトリックなんかどうでもいいわけです。今回の作品もミステリとしてはホントあらの目立つトリックですが、それがこの作品にとって、何の傷にもなっていない所がある意味凄いというかなんというか。

他の作品では高橋源一郎の「名探偵小林秀雄」が良かった。著名な批評家小林秀雄を探偵役、作家大岡昇平をワトソン役にシェイクスピア作品の裏に隠された「事件」の真実を探る、といった作品。

いや、面白い。小林秀雄と大岡昇平との会話はまるで御手洗&石岡か京極堂&関口のやりとりそのままで笑った笑った。小林秀雄萌え!これからは小林秀雄x大岡昇平ですよ!!以前から好きで高橋源一郎の作品は追いかけていたが、ほんとなんでも出来るんですね。

それと、恩田陸の「三月は〜」の新シリーズがスタート。相変わらず”何かが起こりそうな予感”を書くのはうまいが、はてはてどうなるでしょうか。

Ganerated by nDiary version 0.9.4
Weblog Commenting and Trackback by HaloScan.com

Copylight