幻の黒猫

2004年の日記もどき:8月

8.3.2004

[book][お]「夜のピクニック」恩田陸:新潮社

2004/08/03

「近づきたがってる、理解しあいたがってる。そんな気がしたんだ」

cite ( 「夜のピクニック」恩田陸 )

"歩行祭"と言う、夜通し80キロを歩き通す学校行事に参加した高校生たちがひたすら歩きながら会話をしあう、ただそれだけの話。だがそれがよい。氏の作品は、作中起きる事件が大きければ大きいほど尻すぼみ的に物語が終わってがっかりする事が多いのだが、それが無い分逆に「学園青春もの」と「会話劇」という恩田陸の二大スキルが存分に発揮されたように感じた。

会話による相互理解を重視する恩田キャラの中で、主役二人はこれまで一言も言葉を交わしたことが無いという設定が珍しく面白い。それだけに、主役の片割れのする『賭け』の内容、そして終盤かわす会話が感慨深い。

「学園青春もの」という点では『六番目の小夜子』、『ネバーランド』、「会話劇」という点では『黒と茶の幻想』、『木曜組曲』の系譜に連なる作品である。

8.5.2004

[book] 『スリピッシュ!』今野緒雪を読んだ。

2004/08/05

マリみてマリみてと言いつつ今野さんのほかの作品を呼んだことが無かった。ふと本屋で目にとまったので、『スリピッシュ!』シリーズ四冊を読んでみた。……微妙。つまらないわけじゃないけど、とりたてて面白いというわけでもない。先生はマリみての続きをお願いしますね。

ところで驚いたのが、イラストのあまりの稚拙さ。これはひどい。この画師が■ マリみて的お絵かき掲示板 ■に書き込んでもコメントがひとつもつかないだろう、と確信できるようなレベルである。あまりに驚いたのでグーグルで「スリピッシュ イラスト ひどい」で検索して見つけたのだが、2ch の「集英社コバルト文庫・Cobalt総合スレッドその5」でも話題騒然だったらしい。「どうしてこうなってしまったのか?」を皆で検討し、「利き腕に怪我をした」「心に風邪を引いた」の2説が挙げられている。まだ前者であってほしい所だがあの宇宙的なイラストはどうも後者の可能性が強いのでは?と思った。

8.9.2004

[misc] 「雲のむこう、約束の場所」予告編2本が公開

2004/08/09

完成度の高い個人製作アニメとして話題になった『ほしのこえ』の新海誠氏の新作『雲のむこう、約束の場所』の予告編が公開された。一年以上前に公開されたパイロット版を見て以来ずっと期待していたので、さっそく落として見てみた。確かに、絵の書き込みはパイロット版とは比較にならないほど凄いことになっている。が、それだけだ。絵の繋がりが悪く音楽とのシンクロもいまいち。いかにもアニメ的に高く造った声で話すヒロインがいらいらする(なぜ声優を変えたのだろう?)。このアニメに抱いていた期待が、十分の一くらいに減少してしまった。

思うに、最初に公開されたパイロット版はそのためだけに絵も音楽もセリフも造られており、ひとつの作品としての完成度は今回の予告編よりよほど高い。改めて両方見たけど明らかにパイロット版のほうが出来がいいもん。

[comic] 今週のジャンプ

2004/08/09

テニプリがえらい事になってました。COOLドライブ!

Ganerated by nDiary version 0.9.4
Weblog Commenting and Trackback by HaloScan.com

Copylight